Fireworks CS4 betaを使ってみた

Question

Fireworks CS4 betaを使ってみた。一言でいうと、私が改善して欲しかった部分は何も変わっていない。表面のみペンキを塗り替えたと言う印象である。アップグレードを見送ろうかと言う気もしてくる。環境 はIntel iMac, OSX 10.5.4
私はFireworks CS3を持っているが、殆ど使っていないので、指摘には間違いがあるかも知れない点はお許し下さい。またFireworks CS4は深く使い込んだ結果の意見でも無い点もご了承下さい。
私は今までウェブ制作はCSS対応のサイトを主にレイヤーを使って実現してきたが、最近はどうしても必要な部分のみに位置指定機能を使用するようになった。しかし画像書き出しにはレイヤー単位 で書き出す方法が色々な点で理にかなっていると思っている。
しかし私の方法でFireworks CS4を使おうとすると、レイヤー機能が使いづらい事に気づく。まず、イラストレーターのように、コンテンツを複数のレイヤーに一発で分配する機能を付けるべきである。また、ショーカットコ マンドでひとつのレイヤー以外のレイヤーの選択の機能も是非とも必要である。
もう一つ例を挙げると、ある図形のアウトラインの設定を変えたいと思う時、前の設定にすぐに戻れず、「基本」メニューの中の入れ子のメニューを探して、設定し直すなどと言う事になり、面倒であ る。問題にしているのは、こういった部分の基本的なインターフェースの使いにくさである。なにも見た目の事を言っているのではない。
もう一つ、最も重要な事は、未だに各アドビ社製のソフト間での、互換性が取れていない事である。今回ようやくイラストレーターのファイルを開く事ができた。しかし、位置がズレたり、一部の文字 はアウトライン化されていたり、マスクなどが不本意に変換されていたりと満足の行くものではない。イラストレーター画像のペーストもうまく行かない。恐らく本バージョンでもあまり期待できない であろう。
何を隠そう私は20年来のアドビ社製ソフトのユーザーであり、ファンである。しかし、今回のマクロメディア社吸収後の対応で、そのファンの部分が揺らいでいる。
最初のソフトである、イラストレーターが登場するまで、円形を書く場合でも、わざわざスクリプトを書く必要があった。しかしイラストレーターの登場で革命が起こった。そのインターフェースの理 念に驚き、また深く賛同した経験がある。今でもイラストレーターのインターフェースは一般向けソフトウェアの理想であると思う。しかしウェブの状況はその前の段階である気もする。
未だにマクロメディア社を意識せざるを得ない状況が不本意ではあるが、ウェブ部門は未だに別会社と言った方が正しい。明らかな旧アドビ社ユーザーの軽視である。
マクロメディア社をアドビ社が合併吸収した事は、ユーザーにとってメリットがあったかと言えば、私にとっては殆ど無かったと言って良い。メリットと言えば、各ソフト間の互換性が取れる事、ソフ トが安く買える事等が考えられるが、どの程度実現しているだろうか。別々に購入して使っている状況と殆ど変わっていない。
各ソフト間の完全な互換性こそ、必死で目指すべきなのだ。イラストレーターは印刷用のソフトではない。CMYKの色に関する機能以外は、全てウェブに使う事ができる。フォトショップも同様だ。 つまり、完全に、Fireworksとこれらのソフトは重複しているのだ。Fireworksを使い込めば、これらのソフトを使う頻度は減って行く気がする。
私の様な独習派は、使ってみないと中々気がつかないが、Fireworksで制作すると、非常に緻密なグラフィックが作れる事に気がついた。恐らくファンの多くは、この点に魅了されているに違 いない。そうなると何とか使ってみようかと言う気も出てくるが、Fireworksを使うかイラストレーターを使うかの二者択一を迫られそうで中々踏み切れない。
Fireworksと機能の重複するこれらのソフトとの関係を整理する必要がアドビ社に突きつけられていると思う。それの一番の近道は、Fireworksを根本から書き直し、旧アドビ社ユー ザーと旧マクロメディア社ユーザーの双方を満足させるようなソフトを早急に実現する事だとおもう。
ウェブにおいては、旧来のアドビ社ユーザーを無視し、多数派であるマクロメディア派を重視した結果となっている。双方を満足させるのが筋であろう。その実現に必死になって努める必要がある。原 因は市場独占状態にあぐらをかいた怠慢だとしたら言い過ぎだろうか。強制的にGoLiveも製造打ちきりとなった。本来の市場の競争関係が維持されていたなら、GoLiveのユーザーの様な顧 客層を満足させるような製品を必死になって用意する筈である。
裏でFireworksの根本的な見直が進んでいるとしたら問題ないが、そうでないとしたら、意識改革を促したい。思えば上層部のスタッフ資源の活用に関する采配ミスではないの

Answer 1

やはり、気になるのでたまにベータ版を触ってみている。今までillustrator、Photoshopと1ページ作るのに中間ファイルを作っていたので、効率化するのは間違いない。
かなりイラストレーター的な機能や操作性を実現させようとしている意志が見える。少なくとも前バージョンよりはそうなっているようだ。但し基本は変えようとしていない。
よく見てみると、あちこちにイラストレーター的なコマンドも散らばっている。ショートカット（マックではキーの組み合わせでメニューコマンドを実現する機能の事）もイラストレーターのようにカ スタマイズすればかなり使い易くなる。
私にとって一番頭が痛いのは、このソフトを使う事は、（イラストレーターとの完全な互換性がないので、）長年使い込んできたイラストレーターを封印せざるを得なくなる点だ。現状のアドビ社の政 策ではそうなっている。
難しいのなら、イラレファイルを読み込む際、フラッシュの様に、ダイヤログで設定を選ばせたらどうか。Fireworks CS3では、警告も一切出ず、強制終了する羽目になる。
最も基本的な操作においてもイラストレーターとはかなり違いがある点が違和感を感じさせる。要素の選択一つにとってもそうだ。例えば、マックでは（または殆どのアプリケーション上で）オプショ ンキーを押しながらドラッグするとコピーが生成される。所がここではグループ画像はそうならない。
また、ベータ版だからという訳ではないと思うが、反応が遅いのだ。前のバージョンもそうだ。この反応の遅さが、より使いにくいと言う印象を倍増させている。（DREAMWEAVERもややそう いう感じがある。2GHzのiMac上。）選択したいものがなかなか選択できないのだ。レイヤーでの選択もなかなか素早く反応してくれない。
レイヤーと言えば、なぜ未だにスライスなのか。テーブルレイアウトが推奨されていない現状において、スライスはテーブルレイアウトをベースにしている。逆にレイヤーごとの書き出しには全くと言 っていいほど対応していない。
フォトショップでレイヤー分けしたファイルを取り込んだら、全部を選択し、矩形スライスをマルチで生成させる事で、スライスごとの色彩最適化機能が働く事に気づいた。勿論、空白スライスは無視 して、選択スライスのみの画像書き出しをすればよい。
思うに、今のアドビ社のウェブにおけるマーケット戦略は私のような一部ユーザーには強いストレスを強いていて、ついて来れるものはついて来いと言っているように見える。そのかわり、高い料金を 取る。諦める者も多いかも知れない。私の周りでは、グラフィックデザインからウェブに転身したものはいない。
ある意味、使えこなせるものにとっては存在価値が上がるので、むしろありがたいのだ。特にウェブ関連やフラッシュにおいて。それを肯定するものが多いのだろう。私のようなものは迷いながら進ん で行くしかないようである。